人気ブログランキング | 話題のタグを見る


村落開発を目的に、ウガンダで活動する非営利団体 "Agriculture Innovations for Sutainable Development - Uganda / AISUD (アイサド) " によるブログです。 活動の近況や、ウガンダの情報を発信していきます。


by aisud-uganda

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

AISUD公式ウェブページ

随時更新中です↓
http://www.aisud-uganda.org

カテゴリ

全体
AISUD 活動
ウガンダ 日常
ウガンダ 社会
雑文
インターンの視点より

最新の記事

告知(1月1日・毎日新聞ほか)
at 2012-12-30 22:03
世界の人びとのためのJICA基金
at 2012-11-20 21:56
今日のキャリアウーワン
at 2012-07-27 01:50
カダフィー・モスクと市内の写真
at 2012-07-25 19:44
裏の副代表と金のテントウムシ
at 2012-04-09 17:45
ムゼーとボダボダ
at 2012-03-30 14:54
マイクロファイナンスの本分 ..
at 2012-03-27 22:23
マイクロファイナンスの本分 ..
at 2012-03-26 16:45
マイクロファイナンスの本分 ..
at 2012-03-23 16:15
入国審査
at 2012-03-22 21:33

以前の記事

2012年 12月
2012年 11月
2012年 07月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月

フォロー中のブログ

カンパラメモランダム

検索

主なサービス紹介
このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧

裏の副代表と金のテントウムシ

先々週、当団体の裏の代表であるロト(写真左)に加え、ハル(写真右)を裏の副代表としてお迎えしました。
裏の副代表と金のテントウムシ_d0156945_1793543.jpg


犬の保護施設からヘッドハンティングしてきたため、はっきりとした誕生日は不明ですが、約2カ月位だそうです。
保護施設で見た時は、お腹に産み付けられたマンゴーフライの幼虫(果肉や動物の皮下に幼虫が寄生するハエ。皮下を動き回るのでものすごく痒いそうです)を取りだす手術をした後で、お腹のあちこちに小さな穴ができていたのと、全身ノミだらけでした。
こちらに引っ越してきてからも、酷くお腹を壊してげっそりやつれてしまい、大変だったのですが、傷口は数日のうちにどうにかかさぶたになり、今も時々お腹を壊すものの、しっかりご飯を食べて元気に生活してくれています。

人間の方はというと、彼女のトイレトレーニン・・じゃなくて研修のフォローに必死な日々。
昼も夜も彼女の動きを逐一確認し、夜中に彼女の寝床からゴソゴソ音が聞こえてきたら、代表(人間のほうです)が飛び起きてトイレ掃除に馳せ参じています。

さて、ウガンダでは今日はイースターマンデーのため祝日ですが、ハルちゃんのキャリアウーワン(タイプミスではありません)っぷりは休日など関係ありません。

朝から部屋中をあちこち走りまわるハルちゃんが退室したのを確認し、副代表(人間のほう)はおねしょタオルを回収。
家の裏でタオルの下洗いにいそしんでいたところ、小さな金のボタンが落ちていた・・・と思いきや。
歩いとるやないかーっ!と、思わず代表を呼んで写真を撮って貰いました。

金のテントウムシ。
裏の副代表と金のテントウムシ_d0156945_1715519.jpg


なんだこれは、金色のテントウムシなんて日本のお菓子の景品とかでならありそうだけど、そんなものが生き物としてこの世に存在するなんて。
まさか世紀の大発見じゃ!?と、ネットで検索してみたら、テントウムシではなく、ジンガサハムシという名前が既にちゃんとついていました。

写真をパソコンに取り込んでから気付いたのですが、今回見つけたこのジンガサハムシ、背中に日本語が書いてあるように見えるのです。

裏の副代表と金のテントウムシ_d0156945_17525992.jpg

                   「いヰづづ」と書いてあるのが見えますでしょうか・・・・いす●みたい。


中古車の車体に書かれた漢字は日本産である事の証明となるため、車体の文字を敢えて消さずにそのまま使ってしまう国、ウガンダ。
車を再塗装した上に、塗装の下の文字を「なんとなく」なぞって、漢字でもハングルでもアムハラでもない謎の文字を車体にしょって走る中古車も、多々見かけるのですが、このジンガサハムシみたいに、いヰづづと書かれた中古車がどこかを走っていても決しておかしくはないのです(というか、いつか本当に会えそうな気がしてならない)。
今日この虫と、日本語が読める私がカンパラの民家の裏で出会ったのは奇跡と言ってもいいんじゃないか。

・・・などと、無駄に色々考える事ができるのは、久しぶりの連休を満喫できている証拠なのでしょうね。
掃除と洗濯に戻ります。

裏の副代表と金のテントウムシ_d0156945_1892250.jpg



副代表(人間のほう)
# by aisud-uganda | 2012-04-09 17:45 | 雑文

ムゼーとボダボダ

当ブログでも何度か振れた事のあるボダボダ(バイクタクシー)。

アグレッシブな走りをするドライバーが多く事故も多いのですが、小回りが効きカンパラ市内であれば場所に関わらずいつでも捕まえる事が出来、公共の交通機関が未発達のウガンダで嬉しいDoor to Doorの送迎サービス。

ボランティア組織や外交団の中にはスタッフにボダボダの利用を認めていない所も多いのですが、一度その便利さを味わってしまうとボダボダを使わないで生活するというのは中々に難しい物で御座います。


家に車を置いたままカンパラ中心部に遅くまで用事に出ていたある夜。

帰る足を探しに通りに出ると、タイミング良く一台のボダボダが通りかかりました。手を上げて止めてみると、結構なお歳のムゼー(御老人)。家の大体の場所を伝え値段を聞くと「じゃあ、6,000シリングでどうかの?」

ボダボダには特に決まった値段体系というものは無く、距離、時間帯、つかまえた場所等々から経験と勘でドライバーとその都度値段交渉を行う事になるのですが。夜の遅い時間に、中心部の繁華街に近い路上(値段が高くなる傾向があります)から結構距離のある我が家まで、6,000シリングというのは随分と良心的な提案。

それではお願いします。ムゼーのバイクに跨ります。

「お客さんは中国人かい?」

暫く無言でバイクを走らせていたムゼーが、車の通りが多い道を抜けた辺りで話しかけてきます。いいえ、日本人ですが、そう答えると。

「ほう!そりゃあ珍しいな」

途端にサイドミラー越し、髭面の顔にクシャっと満面の笑みを浮かべ饒舌に話始めるムゼー。

「いやあ、ご存知の通りカンパラでは最近中国人が凄く増えてねえ。最近乗せる東洋人も中国人ばかりさ」

「やはり、経済的に勢いのある国というのは凄いのお。日本もほんの50年前まで中国を植民地にしていたのに、今やすっかり元気も無くなって逆に植民地にされそうな勢いじゃないか」

「しかしな、幾ら金を持っていて、国が大きくなってもそれに見合った責任を持たんと本当の意味での大国とは言えん」

「ワシはご覧の通りのムスリム(ムスリム帽に長い顎鬚という出で立ち)なんじゃが、先日の安保理でのシリア非難決議への拒否権の行使はなんじゃ。ワシゃあもう、無実の同胞が殺されていくのを見るのが忍びなくてのお」

東洋の歴史から最近の世界情勢まで良く御存じですね。

「幾つになっても勉強は大事じゃよ」


我が家に向かう途中の急な坂道。ローギア―に入れ、フルスロットルに回し、えっちらおっちら坂道を登るボダボダ。

「ご覧の通り、ワシと一緒でこのボダも随分と老いぼれじゃが、まだまだ現役。アクセルを回してやればスピードは出んが、こんな坂道でもしっかり登りよる」

「周りの同業の若い連中は、こんな爺さんがボロボロのボダに乗って、と笑いよるがそれがどうした。ワシに言わせれば、やたらめったら飛ばしまくる若い連中の方が危なっかしくて見て居れん」

「あんなに飛ばしてなんになる。大事なのはゆっくりでも確実に客を目的地まで運ぶ事。人生も同じ。『ンポラポラ』(ガンダ語:ゆっくりと)が大事なんじゃ」


その後もムゼーの話は尽きることなく。とうとうショー・コスギの話から、今も日本にはサムライは居るのか?忍者は?といったところまで話題が及んだ辺りで我が家に到着。あっという間の20分。

少し名残惜しい気もしましたが、楽しい会話と安全運転のお礼も込めて、当初提案された6,000シリングに何も言わず1,000シリングだけ上乗せしてお渡ししてみたところ、

「なんとまあ!ご親切に有難う。God bless you!おやすみなさい」


なんとも味のあるムゼーとボダボダの話で御座いました。


代表
# by aisud-uganda | 2012-03-30 14:54 | ウガンダ 日常

マイクロファイナンスの本分 その5

「どうか見捨てないでほしい」

頭を突然ガツンと殴られた様な心持、混乱。見捨てる?自分が?彼等を?

皆も必死なんだ。忙しい合間を縫って、何とか自分達が抱える問題を解決しようと色々と話し合いを進めているんだ。中々根本的な解決策は出て来ないけれど・・・。

フォーチュネート先生が言う通り、その日のミーティングでは苦しい家計をやりくりして何とか滞った返済の利子分だけでもとお金を持ってくるメンバーや、もう1カ月だけ待ってくれれば、雨季にさえなれば何とか作物の収穫が始まるから待って欲しいと訴えるメンバー。中にはフォーチュネート先生と同じく、どうか自分達を見捨てないでほしいと縋る様な眼で言い添えて行く人も。


Not Charity, But Opportunity

「施しではなく機会(チャンス)を」

AISUDが活動を行ってゆく上でのモットーであり、基本的な活動方針は全てこの考えに則ってやってきました。採算を度外視した慈善活動、緊急支援活動が必要なケースがある事は当然であり、だからこそ、その様な活動に限られたリソースを集中する為にも、市場原理に則って出来る活動は外部からの資金に極力頼らず、自ら持続可能性を達成する為に尽力すべき。そう考えて、AISUDも今まで活動を続けてきました。

以前、このブログにも書いた事があるかもしれませんが、小生が貸付先であるメンバーの農家さん達と極端に親しくなり過ぎない様、気を使っているのもそこです。苦しい、大変な状況にあるのは皆同じ。だからこそ誰か一人に「彼の事情を汲んで」ルールを極端に逸脱した「融通」ではない「甘え」を許してしまうと、途端に組織としての体を成さなくなってしまい、AISUDが今まで築き上げて来たシステムは呆気なく崩壊してしまう事は想像に難くありません。


ならば一切の私情は排して、徹底的に官僚的に、システマティックに組織運営を行うべきか?

それを突き詰めていくと前々回のエントリーで述べた世界的に名を知られた各大手マイクロファイナンスシステムの様な体制に行きつくこととなり、そして恐らくそれは組織としても、持続可能性の達成の為にも正しい事なのでしょう。

ではだからと言って、組織が大きくなっていく過程で高い金利、厳しい取立てを苦にして多少の農家が一家離散、夜逃げ、主の自殺という憂き目にあってもそれは不幸な例外で大義の為には目を瞑るべきなのでしょうか?

組織の拡大、持続可能性の達成はあくまでも手段であって、本来の目的は途上国経済のボトムアップ、発展、開発への寄与だったはず。これでは完全に手段と目的が逆転しているのでは?

いやいや、手段無くしてそもそも目的の達成は有り得ないのだから、やはり多少の犠牲は敢えて看過し、より多くのチャンスを待ち望む人々にサービスの提供を行う事を考えるべき?

では、そもそも貸付の時点で徹底的に審査、スクリーニングを行い少しでも返済にリスクを伴いそうな場合は全てローン申請を却下すれば?

それではサービスを一番強く待ち望む人々が、まるまる裨益対象から抜け落ちてしまうのでは?

・・・・
・・・
・・




まとめです。

まず大前提として代表は、曲がりなりにも途上国の村落部でマイクロファイナンスを商う者の端くれとして、「マイクロファイナンス」というメソッドが持つ開発課題解決の為の有効性、地域経済活性化の為のインパクトの大きさ、そして何より費用対効果の高さは素晴らしいものだという点については確信を持っております。

しかし構造的に、事業の採算性、持続可能性といった「手段」に極端に重きを置いてしまうと、しばしば(Hopefully、多くの組織にとって設立時の、そして今もって一番大切な)本来のコミュニティ開発、貧困削減、国の発展といった「目的」と齟齬を来す危険もはらんでおり。

大義の前に小さな犠牲はやむを得ない?費用対効果という面から見れば十分に効果的?

例え被融資者数全体から見れば少数でも本来の裨益者であるべき農家、中小規模事業主の生活をスポイルして何が開発か?

日本の開発業界におけるここ最近のマイクロファイナンスの持て囃され方とは裏腹に、規模の大小問わず、こんなジレンマに苛まれている組織は決して少なくないのではないか?意識する、しない、大っぴらにそんな悩みをぶちまける、ひた隠しにする(代表がマイクロファイナンス組織への投資を考えている投資家なら、正直な所そんなナイーブな組織はご免です)、その態度は様々でしょうが。

非常に有効な開発支援手段であるマイクロファイナンス。しかし、そのシステムは現在袋小路に行き当っており、今一度何らかのシステム的、倫理的なブレークスルーが必要とされています。


そして結論?

残念ながら御座いません。

正確を期すならば、代表の中では残念ながら未だ正解はみつかっておりません。

もしそんなものがあるのだとすれば、ですが。



代表
# by aisud-uganda | 2012-03-27 22:23 | AISUD 活動

マイクロファイナンスの本分 その4

前回までの話から少し脇に逸れます。

現在4つあるAISUDの活動先副郡グループ。それぞれのグループの置かれた環境やメンバーである農家さん達の雰囲気は、四者四様見事に趣の違うグループとなっています。

つい先月貸付けを行ったブスクマ副郡を除いた3郡は今までの所、非常に優秀な返済実績を残してくれていたのですが、ここに来て少し状況が厳しくなってきたのがカンパラから南西にクルマで3時間と一番遠い位置にあるチャナムカーカ副郡。

グループそれぞれ置かれた環境が違うと書きましたが、農業的見地から見るとチャナムカーカ副郡は4つの副郡の中で最も厳しい環境にあります。細かな理由を上げ始めればきりがありませんが、チャナムカーカ一帯での農業環境を他の地域に比べて厳しいものにする最も大きな要因は降水量の少なさ、水へのアクセスの困難さです。

中部から南部にかけて基本的に殆どの地域で降水量が年間1,000mmを越えるウガンダですが、マサカから南、タンザニア国境にかけての一帯は例外的に雨が少なく、加えて土地の勾配が大きなチャナムカーカの辺りでは斜面、丘の上の方に位置する農地は乾期の間は数カ月に亘って殆ど作物に水をやる事が出来ない状況に陥ることもしばしば。

ただでさえそんな厳しい環境の中、今回の乾期(去年の年末から今まで)は近年まれにみる雨の少なさで旱害は特に深刻でした。


乾期が始まり、更にはクリスマスに向けて色々と出費が増える12月頃を境に急遽モラトリアムを申請する人達が増え。当初、年が明ければ月々の支払いを再開すると言っていた人達が上記の通り常ならぬ旱害でズルズルとモラトリアムを引き延ばし。

勿論、同じグループでもきちんと支払いを行い随時完済していくメンバーも居るのですが、折角真面目に払っていても支払いが遅れ気味のメンバーのせいで新規のローン申請が出来ず、グループ内に漂う不協和音。

リーダー格のフォーチュネート先生を始め、皆頻繁に定例のミーティング以外にメンバー同士で集まり何とか状況を打開しようと頑張っているのですが、気まぐれな自然の力を前に芳しい解決策も浮かばず。


代表の脳裏に「撤退」「損切り」といった選択肢も浮かび始めた所で今月のミーティング。

少し早めにミーティング場所に到着した代表に近づいてくるフォーチュネート先生。少し二人だけで話がしたいと言われ、少し離れた場所に移動。

如何に今、多くのチャナムカーカのメンバー達が苦しい状況に置かれているかを訥々と語りだす先生。

目の病気を患って何週間もまともに仕事が出来なかったメンバー。

ずっと面倒を見て学校に通わせていた一番下の弟を病気で亡くしたメンバー。

コーヒーの仲買人に騙されての係争等々・・・

悪い時期には悪い出来事が重なるもの。ここには書ききれない程、まだまだ不幸な、そして不運なメンバーの話が続きます。

しかし、それを聞いていた代表の心中を率直に、飾らず申し上げるなら「そんな事言ったって」

試しにウガンダの農村に行って、取りあえず誰でも良いので道行く人をつかまえて、貴方の悩み、困っている事を聞かせて下さい。とやれば、1時間もしないうちに、上述の様な、時にもっと大変で悲惨な話は掃いて捨てるほど集まるでしょう。

他の副郡グループのAISUDメンバー達とて例外ではありません。皆、程度の違いこそあれ大変な事情の一つや二つは抱えています。それでも、他の副郡グループでは皆概ねスケジュール通り返済しているのです。チャナムカーカが置かれた状況が特に大変なものだというのは重々承知はしていますが、

「そんな事言ったってね・・・」

一度はぐっと飲み込んだものの、結局は上述の様な事を、結構強い調子でフォーチュネート先生にぶちまけてしまった訳で御座います。流石に少し言い過ぎたかと口を噤んだ代表に、それを黙って聞いていたフォーチュネート先生がぽつりと一言。

「うん。君の言う事はいちいちもっともだ。だけど、どうか自分達を、チャナムカーカを見捨てないでほしいんだ・・・」


今回でこのシリーズを書き終えるつもりでしたが、また長くなってしまいました。

もう一回だけ続きます。


代表
# by aisud-uganda | 2012-03-26 16:45 | AISUD 活動