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村落開発を目的に、ウガンダで活動する非営利団体 "Agriculture Innovations for Sutainable Development - Uganda / AISUD (アイサド) " によるブログです。 活動の近況や、ウガンダの情報を発信していきます。


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ドド

ドド

「ドド(Doodo)」

ああ。不思議の国のアリスとかに出てくるあれね、と仰られる諸兄。

正解ですが、不正解。あれはドードー(Dodo)。小生が本日皆様にお話しさせて頂きたいのは、ウガンダで生活する上で避けては通れない、野菜の方の「ドド」で御座います。

野菜のドド?皆様いまいち合点が行かないのではないかと拝察致します故、手元に御座います「Luganda-English Dictionary」にて「Doodo(発音はドドです)」の項目を引いてみましょう。

doodo, n. kind of spinach

(ドド[名詞]:ホウレンソウみたいなもん)

なんとも投げやりな解説が。

仕方が無いので、こんな時の心強い味方、Wikipedia(英語版)。「Doodo」と検索をかけると「Amaranthus」と何ともオシャレな名前の植物の項目に転送されて少し面喰います。

高校時代、一緒に馬鹿やってた友達に上京ついでに会おうと何年ぶりかに電話をしたら、忙しい仕事の合間を縫って昼飯を一緒してくれる事になり、待ち合わせ場所の定食屋で待っていたら、待ち合わせ時間に遅れる事10分、暑い盛りにも関わらず、スーツの上着を型崩れしない様腕にかけ「悪い悪い、取引先から急に電話が入ってね。久しぶりだな~。あ、これ俺の今の名刺ね。そんな顔するなよ。他人行儀とかそんなのじゃなくて癖だよ、癖」と地元の訛りがすっかり抜けた、でも高校時代の面影を少し残した営業スマイルを浮かべる友人を見て、当たり前だけれど、こいつもすっかり社会人、サラリーマンになっちゃんたんだなあ、と何とも言えない感慨と、何故だか分らない仄かな郷愁を感じ、ざる蕎麦のワサビが妙に鼻にくる茹だる様な暑さの八月の昼下がり。そんな気持ち。

ドドはその様な芦屋の有閑マダムが午後のひと時を近所の奥様方と過ごす隠れ家的カフェで流れる定番ボサノバナンバーのタイトルに有りそうな、「紅いアマランサス」とか、そう言うオシャレなのではなく。ウガンダでは、田舎の定食屋でも主食のマトケ(蒸しバナナ)に添えて出される、もっと地元密着型、ウガンダの人々の生活とは切っても切れない野菜なので御座います。

ドド_d0156945_21322351.jpg


少しエグ味、独特のクセのあるその味に拒否反応を示される在ウ邦人の方も居られますが、その旺盛な繁殖力から比較的少量の水を与えていれば元気に育つ為、ウガンダの田舎においては市場から野菜が無くなる乾期の貴重な栄養源として非常に重宝されます。

本物(?)のホウレンソウを見た事が無い田舎の方の子供達の中には、これをホウレンソウだと信じている子も多く。時にはカンパラのレストランでさえ、例えば「Spinach Pasta」と銘打たれたメニューを注文した所、一口目でドドと分るその風味に「これ、ドドですよね?」「いえ、ホウレンソウで御座います」「でも、どう見てもドドですよね?」「いえ、ホウレンソウで・・・と店員さんと押し問答になる事も。別に騙してやろう等というイヤラシイ下心があるわけでなく(ホウレンソウに比べ、ドドは圧倒的に安い)、店員さんも単純にホウレンソウだと信じて居られるのでしょう。

実際辞書には「ホウレンソウみたいなもん」と記述があるわけですし、Wikipediaによるとどうやら「Chinese spinach(中国ホウレンソウ)」と呼ばれる事もあるそうで。一概に彼らが間違っておると断ずることは出来ないのであります。

そんなドドで御座いますが、上述の通り少しの手間(乾期の水やり)さえ怠らなければ一年を通して収穫する事が出来、コンスタントに市場に卸す事が出来れば農家さんには収入の途絶える乾期の貴重な収入源となり、ウガンダで一般的なIntercropping(間作)作物として、バナナやコーヒーの木の足元にビッシリ隙間なく植えられている事もしばしば。

そうとは知らず、草取りを怠った結果の雑草だろうと失礼な考えで、無造作に踏みつけたりすると農家さんに怒られてしまい、

「ちょっと気をつけて。君の足元のそれは雑草では無くドドですよ」

「これは失敬。成程、これがドドですか」

「いえ、それは雑草です。ドドはこれです」

「重ね重ね失礼。成程、これがドドですか」

「いえ、それは雑草です。これがドドです」

「これはお恥ずかしい。成程、これがドドですね」

「いえ、それは雑草で・・・

文字にするとゲシュタルト崩壊を起こしそうな会話が繰り広げられる結果と相成るわけで御座います。

なんとも奥の深いドドの話で御座いました。


代表


当初何故ドドの話をしようと思ったのか、今となっては皆目見当つきません。
ドド_d0156945_17483646.jpg

農家さんが持っているのがドド。写真は葉が紫の種類ですが、ウガンダでは緑一色のモノがよりメジャーな様に思います。どちらも、ただ「ドド」と呼ばれます。
by aisud-uganda | 2010-06-07 17:51 | ウガンダ 日常